社会科・地歴科教育法 I

年度 2010
科目名 社会科・地歴科教育法 I
教員名 奥田 孝晴
授業概要 この講座では主に中学校「地理分野」・「歴史分野」と高等学校地歴科の学習指導要領の概説を解説し、内容を理解することを中心的課題とする。「歴史とは過去との対話である」とのE.H.カーの言葉を待つまでもなく、歴史教育の目標の一つは過去の経験から学び、それを今日/未来へと役立てることにある。また、地理教育は人間諸活動の基本的舞台となる各地域の特性を学び、文化芸術や生産流通などの営みの基礎を理解することに主眼がおかれる。いわば、人類を取り巻く「時空間」の総合的学習こそが地歴教育の醍醐味である。ことに将来の教員を目指す国際学部学生諸君にとっては、学部の他の専門科目との学際的勉強を通じて、ダイナミックでスケールの大きな「モノの見方」が獲得されることを期待したい。
授業計画 戦後日本の地理・歴史教育の変遷概説(~高校社会科時代)
戦後日本の地理・歴史教育の変遷概説(高校地歴科誕生以降)
中学校社会科「地理分野」・「歴史分野」カリキュラムの内容と構造
高等学校地歴科カリキュラムの内容と構造
「歴史」とは何か-歴史教育に関する諸学説(1)
「歴史」とは何か-歴史教育に関する諸学説(2)
「地理」とは何か-地理教育に関する諸学説(1)
「地理」とは何か-地理教育に関する諸学説(2)
教科教育法/授業実践例研究(1)
教科教育法/授業実践例研究(2)
教科教育法/授業実践例研究(3)
地歴科教育の国際比較研究(1)
地歴科教育の国際比較研究(2)
地歴科教育の国際比較研究(3)
まとめと総括
評価方法 出席、課題発表、期末レポートなどを総合的に評価する。
教科書
参考書
メッセージ 私が生まれ育った名古屋は江戸時代の尾張藩にあたります。18世紀の後期、その藩校「明倫館」を開いた人物は細井平洲という人で、米沢藩(山形県)の名君上杉鷹山の先生であったことでも名高い人です。その平洲の言葉に「師泣かずんば、弟子また泣かず」というものがあります。先生が真摯に学問を究め、真理に感動することがなければ、弟子の学問観・人生観に影響を与えることはできないという、ある意味で凄味のある言葉です。この境地までには行かないにしても、少なくとも教育者を自負する者にはその「裾野」に辿り着くだけの意地と情熱が必要が気がします。そう、「先生」を志す皆さんにも、また私自身にも・・・