年度 | 2010 |
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科目名 | 文章演習F |
教員名 | 酒井 信 |
授業概要 | 現代社会では大学で身に付けた「専門性」にぴったりと当てはまる仕事に就く人は稀である。多くの人が社会に出てから新たな専門分野を開拓し、仕事の幅を広げながら生活をしている。言いかえれば現代では、どのような仕事に就いたとしても「潰しのきく教養」が必要とされている。この授業では同時代の社会を規定する近過去への理解を深め、その成果を文章にまとめるトレーニングを重ねることで、新たな社会変化を予測し、その変化に対応するための「潰しのいく教養」を身に付けることを目標とする。この授業の最終課題は「過去十年の歴史を、文化・政治・経済の三点を踏まえつつ、自分の興味あるテーマを定めて6000字で論じること」である。最終課題の制作を通して近過去の歴史を学び、現在に至る自己の知識と経験を「論文」として体系化してほしい。 |
授業計画 | 授業全体の概要と課題文章の説明、成績の評価方法など(ガイダンス) 取材方法・情報収集の方法・インタビューの仕方・調査報告書や論文の書き方について概説 平成史の概説とメモの作成(『日本一早い平成史』『平成人(フラット・アダルト)』を使用) 課題1「身近な人から『平成20年間で印象に残っている出来事、ベスト10』についてインタビュー取材し、調査報告書にまとめる」の説明と実習 課題1の講評と「平成20年間で印象に残っている出来事、ベスト10」のディスカッション 平成の社会史、文化史について『現代世相風俗史年表 1945-2008』を用いて概説。メモを作成 課題2「『平成の主要な出来事や事件』について2000字の小論文を作成する」の説明と実習 優秀文を基にした課題2の講評と、「平成の主要な出来事や事件」について年表とメモの作成 課題3「『平成期の文化事象』について2000字程度の小論文を作成する」の説明と実習 優秀文を基にした課題3の講評と、「平成の文化史」について年表とメモの作成 過去十年歴史を文化・政治・経済の三点から分析し、最終課題に向けて、過去十年の自己の経験と印象に残った出来事・文化事象を年表とメモにまとめる(A・ギデンズ『社会学』を使用) 最終課題「過去十年の歴史を、文化・政治・経済の三点を踏まえつつ、自分の興味あるテーマを定めて4000字~6000字で論じること」の説明と実習 「ポスト戦後社会」の概説と最終課題のノート作成(吉見俊哉著『ポスト戦後社会』を使用) 優秀文を基にした課題4の講評と論文の書き方のまとめ |
評価方法 | 授業中の小演習の提出を含めた出席点を40%、提出された各課題の出来を60%の割合で評価する。成績評価の基準は、AA(100点~90点)、A(89点~80点)、B(79点~70点)、C(69点~60点)、D(59点以下)とし、合格は、AA、A、B、Cとする。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | この授業では皆さんが生きてきた現代史について理解を深めることで、これまで自分が蓄積してきた知識と経験を「論文」として、体系化するトレーニングを積んでもらいます。同時代の社会を規定する価値観について思考をめぐらすことは、新たな社会変化を予測し、適応するための第一歩といえます。この授業を通して現代史の生々しさを実感してください。 |