年度 | 2010 |
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科目名 | 文献講読 |
教員名 | 飯野 守 |
授業概要 | 今や著作権法を学ぶ人にとって必読書とも言える、ローレンス・レッシグ教授の『フリー・カルチャー』に挑戦します。最近著作権に関心を持つ人が増えているように思いますが、著作権法は実は大きな問題を抱えています。それは、簡単に言えば、著作権保護が強まれば強まるほど、情報の自由な流れという目標は遠のくという問題です。例えば、デジタル技術とネットワークによりコピーが氾濫し、それがCDの売上減に結びつく。だから、著作権保護は強化しなければならない。このような一見すると分かりやすいとも思える論調には、どのような問題が潜んでいるでしょうか。レッシグ教授はクリエイティブ・コモンズの提唱者として知られていますが、上述のような問題に「創造を育むコモンズ」という発想から提言を続けています。『フリー・カルチャー』の内容は著作権に関するものが中心で、教授の提言の集大成とも言えるものです。本書は決して読みやすい本ではありませんが、豊富な実例を知ることを通じて、著作権の保護強化に対する批判的な見方があることを学ぶことができるでしょう。授業1回目のガイダンスと2回目の著作権についての講義を経て、あとは受講者が内容を報告し、皆でそれを検討していくというスタイルで進めていきます。 |
授業計画 | 1.授業の進め方-ガイダンス 2.講義:著作権制度の概略 3.~13.分担して、発表形式で文献を読んでいきます。 14.まとめ |
評価方法 | 報告(担当部分の発表):80%、授業内レポート:10%、出席点:10%とします。報告については、自分の担当部分の内容を十分に把握して的確な報告ができることが最低の条件になります。 |
教科書 | |
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メッセージ | 大学の授業で一冊の文献を仕上げる(全部読む)という経験は貴重なはずです。インターネットで小間切れの情報を集めることを否定はしませんが、その情報の質を判断するためには、批判的精神や判断能力が備わっていなければなりません。文献をとにかく丁寧に読むことで、大切な批判精神や判断能力を養ってもらいたいと思います。 |