日本語表記の常識

年度 2010
科目名 日本語表記の常識
教員名 山崎 貞子
授業概要 日本語の文字には、漢字、平仮名、片仮名、ローマ字があり、様々な文字表記が可能である。この多様性は、表現を豊かにする一方で、表記のルールを複雑にしている。この講義は、日本語の表記に関する基礎知識を学び、現代社会で必要とされる表記の常識を身につけることを目的としている。漢字について理解を深めるために、その起源から字体の変遷を辿り、日本語の中に定着する過程を概観する。漢字検定試験2級程度の漢字力を目標として、漢字の音と訓、漢字の構成、仮名遣い、送り仮名の付け方などについて演習を取り入れながら進める。
授業計画 オリエンテーション
漢字の誕生と発展 (1)漢字の起源(2)字体の変遷
漢字文化の世界 (1)漢字の成り立ち(2)漢字と民族・文化
漢字の音と訓 (1)呉音・漢音・唐音(2)訓読みと仮名
辞書と部首 (1)辞書のいろいろ(2)部首のはなし
古代日本と漢字 (1)日本人と漢字の出会い(2)漢語の受容
近代国家と漢字 (1)和製漢語(2)同訓異字・同音異義語
熟語の構成 (1)二字熟語・三字熟語(2)熟語の読みと意味
熟語の諸相 (1)類義語・対義語(2)四字熟語
漢字の字体 (1)標準字体と異体字(2)新聞の字体
常用漢字 (1)常用漢字表と付表(2)人名漢字と地名
仮名遣いと送り仮名 (1)現代仮名遣いの要点(2)送り仮名の付け方
漢字の未来 (1)漢字と国語政策(2)情報化と漢字
まとめ (1)漢字と仮名(2)外来語の表記
評価方法 授業中の活動を含めた出席点を40%、小テスト20%、期末試験40%の割合で評価する。ただし、成績評価の基準は次の通り。AA)表記に関する知識が充分に認められ、漢字検定試験2級レベルの漢字力がある。A)表記に関する知識がおおよそ認められ、漢字検定試験2級レベルに近い漢字力がある。B)表記に関する知識がやや不足しており、漢字検定試験2級レベルの漢字力に向けて努力が必要である。C)表記に関する知識が不足しており、漢字検定試験2級レベルの漢字力に向けてかなり努力が必要である。D)表記に関する知識がかなり不足しており、漢字検定試験2級レベルの漢字力に及ばない。
教科書
参考書
メッセージ 最近日本語が注目されているのは、社会人や大学生の中に日本語力や漢字力に自信のない人が増えてきたからではないでしょうか。パソコンや携帯電話の普及によって、視覚的に文字を捉えるために、文字知識として頭の中から引き出すことができなくなっています。母語としての日本語力を磨くために、漢字を中心とした表記の常識を身につけましょう。