年度 | 2010 |
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科目名 | 科学技術と環境 |
教員名 | 土井 康弘 |
授業概要 | こんにち、自然と共生しゴミのでない社会であった循環型社会の江戸時代は見直されつつある。そんな江戸期に、漢方医学で使用する薬を見つけるため、自然をありとあらゆる分野から検討する「本草学」という学問が花開いた。「本草学」は自然学だけでなく、その来歴、各地の方言なども検討する、いわば文理を超えた幅の広い学問であった。 いま我々は、多様化する社会を生きているが、古くて新しい「本草学」という学問を再認識することで、今後を生きる指針が見出せると思われる。本講義では、明治19年に博物館が宮内省に移管され、本草学の手法による天産物研究が大きく転換するまでの状況を概説する。 |
授業計画 | (1)ガイダンス (2)中国での本草学の誕生と展開 (3)江戸時代以前の日本での本草学研究 (4)江戸時代の初期の本草学 (5)平賀源内の登場とその本草学 (6)小野蘭山の本草学 (7)蘭学第一世代の本草学 (8)蘭学第二世代の本草学と西洋薬物学 (9)宇田川家の薬物学と本草から西洋学術へ (10)『厚生新編』と『遠西独度涅烏斯草木譜』の翻訳 (11)シーボルトの来日 (12)江戸時代の園芸と小動物の飼育 (13)本草学者の博物学的研究と伊藤圭介 (14)本草学の消滅 (15)試験 |
評価方法 | 成績は、出席に相当する課題(3割)と試験もしくはレポート(7割)で評価する。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 前近代に自然と調和する本草学という学問が存在したことを認識し、今後を生きるための指針をその学習により見出せれば幸いです。 |