年度 | 2010 |
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科目名 | 国際人権法 II |
教員名 | 斉藤 功高 |
授業概要 | 人権とは、人が生まれながらにして持っている権利であり、犯すことのできないものとして保障されなければならない。従来、この人権保障の担い手は各国家であり、国家が自国民の人権を保障するものとされてきた。だが、国家は必ずしも自国民の人権を保障するとは限らない。自国にいる外国人の人権はなおさらである。国家は自国民の人権を積極的に保護せず、時には侵害することさえある。第2次大戦後に登場してきた国連を中心とする国際的な人権保障の仕組みは、この歴史的事実の反省から生まれてきた。国際人権保障の仕組みにおいては、国家に人権尊重を義務づけるだけではなく、国家によるその義務の実施を監視する手続をそなえ、ある場合には、被害者個人が救済を求めて訴える手続きも用意されている。しかし、現在でも人権保障の担い手はまず国家である。したがって、国家の中で人権闘争が行われる。その場合、法的には国内法の枠内で救済を求めることになるが、国際人権法はそのような国内法にどのような影響を及ぼしているのだろうか。本講義では、日本における人権裁判を例に、国際人権法がどのような影響を人権裁判に及ぼしているのか、あるいは、裁判以外の状況にはどのような影響を及ぼしているのか検討していく。 本講義の到達目標は、(1)人権裁判を通して日本の人権状況の問題点を発見し、(2)その問題点に対し、国際人権法がどのような影響を及ぼしているのかを理解することによって、(3)日本の人権問題の解決方法を考えていく創造的知恵を獲得することである。 |
授業計画 | プロローグ -国際人権と国内人権の関係- 国際人権法と国内法の関係 自由権規約と日本の状況 社会権規約と日本の状況 女子差別撤廃条約と女性の人権保護 子どもの権利条約と子どもの人権保護 人種差別撤廃条約と外国人差別事件 難民条約と日本の難民政策 入管法と外国人の人権保障 日本における外国人労働者の人権保障 外国人の人権と地方自治体の対応 戦後補償と従軍慰安婦問題 戦後補償と台湾人元日本兵保障・シベリア抑留保障 人権保障と日本の課題 |
評価方法 | レポート(内容12点、形式5点、資料3点、合計20点)・平常点(授業内で実施する授業確認テストの合計20点)・筆記試験(60点)の100点満点によってAA(100~90点)、A(89~80点)、B(79~70点)、C(69~60点)、D(59~0点)の評価をする。なお、筆記試験は3分の2以上講義に出席しなければ受けることが出来ないので注意すること。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 授業では教科書を使わないので、日本国内で起こっている人権問題に関する本を最低1冊読んで、人権についての知識を深めてほしい。また、現在日本社会で起こっている人権問題に注目して、そのような人権侵害がどうして起こるのか、その原因と解決方法を関考えてほしい。 |