国際人権法 I

年度 2010
科目名 国際人権法 I
教員名 斉藤 功高
授業概要 人権とは、人が生まれながらにして持っている権利であり、犯すことのできないものとして保障されなければならない。従来、人権保障の担い手は各国家であり、国家が自国民の人権を保障するものとされてきた。だが、国家は必ずしも自国民の人権を保障するとは限らない。自国にいる外国人の人権はなおさらである。国家は自国民の人権を積極的に保護せず、時には侵害することさえある。第2次大戦後に登場してきた国連を中心とする国際的な人権保障の仕組みは、この歴史的事実の反省から生まれてきた。国際人権保障の仕組みにおいては、国家に人権尊重を義務づけるだけではなく、国家によるその義務の実施を監視する手続をそなえ、ある場合には、被害者個人が救済を求めて訴える手続きも用意されている。本講義では、国際的な人権保障のしくみを理解した上で、国際社会が直面する人権侵害に国際人権法がどう立ち向かっているかを検討していく。 本講義の到達目標は、(1)国際的な人権保障のしくみを理解し、(2)その上に立って、国際社会が直面する人権侵害に国際人権法の立場からその解決方法に迫っていける能力を養成することである。
授業計画 プロローグ -国際人権の歴史-
国際人権保障の出発点-世界人権宣言-
国連と国際人権保障制度
国際人権法の発展
自由権規約に見る人権保障の内容と実際
社会権規約に見る人権保障の内容と実際
難民条約に見る人権保障の内容と実際
UNHCRの活動と難民保護
難民保護と人道的介入
女子差別撤廃条約に見る人権保障の内容と実際
子どもの権利条約に見る人権保障の内容と実際
人種差別撤廃条約に見る人権保障の内容と実際
地域人権条約の内容と実際
開発と人権保護-ODAと人権保護-
評価方法 レポート(内容12点、形式5点、資料3点、合計20点)・平常点(授業内で実施する授業確認テストの合計20点)・筆記試験(60点)の100点満点によってAA(100~90点)、A(89~80点)、B(79~70点)、C(69~60点)、D(59~0点)の評価をする。なお、筆記試験は3分の2以上講義に出席しなければ受けることが出来ないので注意すること。
教科書
参考書
メッセージ 授業では教科書を使わないので、国際人権法に関する本を最低1冊読んで、人権についての知識を深めてほしい。また、現在国際社会で起こっている人権問題に注目して、どうしてそのような人権侵害が起こるのか、その原因と解決方法を関考えてほしい。