ゼミナール

年度 2010
科目名 ゼミナール
教員名 八ツ橋 武明
授業概要 (1)社会調査を通した発見の面白さ、自分で確固たる主張を作ることの快感を体験して貰うのが、このゼミの目的である。社会調査は人々の意見・状況を正しく知る唯一の科学的な手段であり、この種の調査を実施する能力、理解する能力を育てることも、同時にこのゼミの目的である。一般に社会調査といえば、内閣支持率やテレビ視聴率、行政広聴の民意調査、民間企業のマーケティング調査など、現代社会や広報分野で果たす役割は大きい。したがって社会調査の能力は、将来諸君が社会で活動する際に有力な武器となり得る。また就職活動でも有力な武器となり得るものである。(2)最近のパソコンによる集計・分析の普及は、社会調査をよりわれわれに身近にし、修得の価値を高めている。この様な環境進化に対応して、2003年度から日本社会学会を中心にして「社団法人社会調査協会」(http://jasr.or.jp)が誕生し、日本の社会調査の水準向上のために、所定の社会調査関連の科目を履修した学生に「社会調査士」の資格授与を始めている。この資格は就職をはじめ様々な局面で有効性を持ちうるものである。この資格に関心を持つ学生諸君は、本ゼミの履修を勧める。(3)このゼミでは、これまでに学習し、または今後学習する社会調査関連科目の知識を実際の調査の局面で活用し、総合的・実践的な調査能力を修得する。具体的にはゼミナールで、調査の企画から調査票の作成、調査実施を行い、データをコンピュータ化して集計、分析、仮説検証を行い、調査報告を作成・公表する。学生諸君はこれらの過程を通して様々な知識・技術を習得するに留まらず、データで自己主張することの面白さを知ることとなる。またこの履修で、ゼミ生諸君は自分の成長を感じるようになる。色々と試みて、自分の引き出しを大いに増やすことが出来る。(4)なおテーマは単独の実施でもグループでの実施でも良い。社会調査士資格を目指す場合は、単独の実施を勧めている。
授業計画 3年次ゼミナールを基礎段階、4年次卒業研究を応用段階としている。各年次ともに、1年を通して1テーマの調査活動を行い、報告書を完成させる。これにより自然に高度な調査能力を修得出来るとともに、アイデアや発想を現実の主張に換える創造力・方法論・面白さを育てる。下記の各段階で様々な報告・討論がなされ、情報共有と相互研鑽を図りながら進行する。なお卒業研究は選択となるため、履修しない場合もある。
ガイダンス
調査企画案の作成1
調査企画案の作成2
企画案の仮説構成1
企画案の仮説構成2
企画案の仮説構成2
調査項目の設定1
調査項目の設定2
質問文・調査票の作成1
質問文・調査票の作成2
調査計画(調査法、予備調査、サンプリング計画を含む)の検討
サンプリング
調査の実施(調査票の配布・回収)
エディティングとデータ入力
集計、分析、仮説検証
集計、分析、仮説検証
報告書の作成指導
報告書の作成指導
評価方法 ゼミ活動では情報を共有し、お互いに提案・成長し合うことを重視します。そのために出席点(約20%)、討論貢献度(約20%)、担当発表点(約20%)、提出物成果(約40%)を基準とします。またゼミナールの共同活動への参加も考慮します。
教科書 その都度指定
参考書 E.M.ロジャーズ「イノベーション普及学」産能大学出版部(1990)を予定
メッセージ (1)必ず、http://www.bunkyo.ac.jp/~yatsuha/ のゼミ説明を見て、申請前に私と面談し、ゼミの学習内容を理解・確認して下さい。社会調査士履修科目もここで説明されます。(2)志望者に「社会調査Ⅰ」、「調査集計法Ⅰ」は不可欠だが、5セメに履修することも可能である。(3)ゼミ仲間との討論と、コンパ・合宿・見学による多面的なコミュニケーションと情報共有を指向します。(4)自分の作ったデータを根拠に自己主張することの快感を味わって欲しい。(5)パソコンの文房具としての活用を励行指導。インターネットのゼミ掲示板で学内外何処からでも情報共有可能。(6)研究報告は論文集としてインターネット上のゼミ学生サイト http://www.bunkyo.ac.jp/~mediares/ で紹介し、就職活動での実績PRに活用。有効事例有り。またこれは諸君の学生生活の記念碑だ。先輩の様々な成果も見て欲しい。