エアライン・ビジネス

年度 2010
科目名 エアライン・ビジネス
教員名 工藤 政博
授業概要 ライト兄弟の初飛行から100余年、この間航空機の発達は目覚しく今やジュラルミンにかわる新素材を使ったNG(ニュージェネレーション)と呼ばれるB787やAB380が飛行する時代を迎えた。また1920年代に始まった民間航空も飛躍的な発展をとげ、現代人にとって無くてはならない交通機関に成長している。しかし2年前のリーマンショックによる世界的な景気低迷で航空業界は業績不振に陥り、日本においてはナショナル・フラッグ・キャリアのJALが2兆3千億円の負債を抱えて倒産するという未曾有の事態が発生、民主党政権はJAL救済策とあわせて航空行政の見直しに着手した。本講義では、民間航空の歴史や世界の民間航空の枠組み、規制緩和による航空自由化の流れ、日本の航空行政と空港問題、アジアゲートウェイ構想と羽田空港の国際化、航空会社の経営戦略、LCCの台頭などを学ぶことで航空に関する基礎知識を習得するとともに、なぜJALは経営に行き詰ったのか、その背景にある原因を検証するとともに、今後の日本の航空行政、航空業界のあり方について考える。
授業計画 ガイダンス(最近の航空に関するトピックス)
民間航空の歴史(ライト兄弟からジェット機時代まで)
日本の航空業界概説(戦後の民間航空の変遷)
航空の基礎知識(空港、航空機、管制など)
世界の航空市場と業界概説(シカゴ条約と民間航空の枠組み)
LCC(ローコストキャリア)の台頭・そのビジネスモデルは?
中国の航空事情(日中路線と日中間旅客流動)
航空政策の変遷と航空自由化への流れ・日本の航空政策
航空輸送の重要なインフラ:空港
アジアゲートウェイ構想と空港問題
2010年航空ビッグバン
羽田空港国際化と成田空港との一体運営
アジアのハブ空港・ソウル仁川空港
日本の地方空港と空港整備特別会計
航空会社の事業運営
原油価格の乱高下と燃料ヘッジ・新幹線との競争
航空会社のマーケティング戦略
運賃政策とイールドマネジメント
グローバルアライアンスとネットワーク戦略
ポイント社会とFFPの進展
ネット化と流通チャネルの多様化・eチケット化・GDSとは?
物流の展開・拡大する国際航空貨物の現状
航空と安全・・・安全のために何をすべきか?
航空と環境問題・CSR
JAL問題を考える
日本の民間航空は果たして甦るか?
*学期授業予定回数と必ずしも一致するものではありません。
評価方法 出席・日常点10%、中間テスト40点(2回x各20点)、期末試験50点
教科書
参考書
メッセージ エアラインや運輸業界に興味のある学生は大歓迎です。京セラの稲盛会長を迎えていよいよJAL再建がスタートしますが、国際線の2社体制や事業分野についてはまだ不確定要素がありますので、新聞報道やテレビのニュースには日頃から注意を払って下さい。