ネットワークモデル分析

年度 2010
科目名 ネットワークモデル分析
教員名 根本 俊男
授業概要 この講義では,問題解決技法やオペレーションズ・リサーチの中で扱う問題分類のひとつである「ネットワークモデル」について学んでいく.世の中にはいくつかの点とそれらを結ぶ線で表現できるものが数多く存在する.例えば,道路網やインターネット.また,物理的に目に見えなくても,会社の組織や,工場から消費者までの商品の流れなども抽象的に点と線で表現できる.これらのように点と線で表現したものをネットワークと呼び,ネットワークで表現できた世の中の様々な問題をネットワークモデルとよぶ.世の中の諸問題のすべてがネットワークで表現できるわけではないが,多くの問題はネットワークモデルとして記述でき,その解析手法は様々な問題の解決の糸口を提供することが多い.そのため,IT分野やプランニングの分野で活躍したいと考えている者にとってはネットワークモデルの分析技術は基盤知識のひとつであり,また,経営情報学科出身者が当然身につけているIT(情報技術)として企業が期待している中核技術のひとつでもある.経営情報学科が経営学科ではないことを考えれば経営情報学科におけるITの重要性は容易に理解できるであろう.本講義で扱う内容を修得するには多くの問題例に取り組む必要がある. そのために,講義時間だけでは足りないので相当量の課題を毎回課す予定である. 受講者は実習・課題に取り組む十分な時間を確保しておいて欲しい.
授業計画 点と線で表現できるもの
グラフ論入門
一筆書きの仕組み
郵便配達の最短経路を探してみよう
コンピュータで点と線を表現する方法
マッチングで楽しむ
たくさんのペアを作ろう
総費用が少ない割当をみつけよう
満足できるゼミ配属方式を考えてみよう
ネットワークに表れる様々な問題を考えてみる
街にガス管を最小コストで配管するには
湘南台から新横浜に最短で行く経路を見つけよう
危険を避けて重要機材を運搬しよう
お弁当をすべてのコンビニに最短時間で配達しよう
ネットワーク上に物をうまく流してみよう
ネットワークとその上に流れる物の量を同時に表現してみよう
最大の通信量を確保しよう
工場から各消費地になるべく安く商品を配送しよう
お中元を3台のトラックでなるべく早く配送しよう
まとめ
評価方法 出席が規定した数を超えた者を評価の対象とする.評価は,講義中に数回実施する小テストにてネットワークモデルの基礎的知識の修得度を測定し,その平均点(100点満点)に沿い決定する.ただし,その小テストの結果以外にもレポートへの取組状況や演習でのプレゼンテーションなどをさらに加味する場合もある.
教科書
参考書
メッセージ この講義の受講に前提となる専門知識は特にありません.ただ,ネットワークモデルが問題解決技法やオペレーションズ・リサーチの中でどのような位置付けになるのかなどをより深く理解するには,第2セメスタでの「オペレーションズ・リサーチ」と第3セメスタでの「スケジューリング」が履修済みであることが望まれます.また,演習の発表ではPowerPointを扱う必要があるので,第1・2セメスタの「プレゼンテーション」も履修済みであることも望まれます.一方,本講義で学んだことは,第5セメスタ「最適化モデル分析」,第5/6セメスタでの「経営情報演習A/B」,第6セメスタ「ロジスティクス」を履修する際に大切な基礎知識のひとつになるでしょう.より専門的な後続科目の準備として大切な講義のひとつですので,しっかり学んでください.講義に関する情報や過去の試験問題などは以下のURLにて閲覧できます. http://www.bunkyo.ac.jp/~nemoto/lecture/