交通事業論

年度 2010
科目名 交通事業論
教員名 高井 典子
授業概要 この講義では、交通事業のなかの「観光交通(=観光を目的とした人々の移動)」について学ぶ。観光交通では、乗り物自体の魅力や移動中の景色の移り変わりを楽しむなど、移動体験そのものが観光の目的となることもある。その一方で、日常の通勤・通学や出張などの需要とは異なる特性があるため、経営の観点からは独自の課題がある。また、観光立国を推進するうえで、観光交通が果たすべき役割が多いなか、現状では様々な問題点が指摘されている。この講義では、まず日本における観光交通の歴史的背景、政策との関連、交通サービスの特質を中心に概観する。次に、観光交通の基礎知識を主要な交通機関別に学び、日本の観光交通の課題を現在の観光の現状と関連づけて考察したい。
授業計画 【導入講義編】
観光と交通の関係・歴史
観光交通の特質
観光と交通政策
【主要交通機関別の概要と課題】
航空事業
空港事業
クルーズおよびフェリー事業
鉄道事業
バス事業
高速道路事業
世界の観光交通との比較
【考察とまとめ】
観光立国への課題
評価方法 成績評価方法:講義への貢献度(出席率、講義中の発言、コメントカードの提出および内容、その他講義に臨む態度一般)が50%.期末試験が50%.評価基準:以下の学習到達目標への達成度を期末試験で問う。(1)観光交通が観光に果たす役割を説明することができる。(2)日本の観光交通の現状の概要を主要な交通機関別に説明することができる。(3)日本の観光交通の課題を指摘し、現在の観光の現状と関連づけて論じることができる。
教科書
参考書
メッセージ 学生の中には、列車やバス、飛行機や船など、旅するための移動手段である各種「乗り物」への興味がきっかけとなって観光を学ぶひとも多いと思う。そういうわたくしも、子供のころから、飽きることなく時刻表を眺めては仮想の旅程を立てるのが好きで、それが高じて観光研究の道を歩むことになったともいえる。旅の楽しさを倍増させる可能性を秘めた観光交通の世界を一緒に旅してみよう。