年度 | 2010 |
---|---|
科目名 | プロジェクトマネジメント(S) |
教員名 | 関 哲朗 |
授業概要 | 企業や国家等の競争力は,単にモノやサービスを創造する力,すなわち固有知識や固有技術によって決定されるものではありません.固有知識や固有技術,そしてこれらを持つ個人を組織として如何に活用し,また,予見な可能または不可能なリスクをマネジメントしながら計画を遂行していく技術である「プロジェクトマネジメント」力が優れていることが必須とされています.本講義では,プロジェクトマネジメント一般について講義するとともに,その情報システムやソフトウエア開発への適用を考察していきます.この授業は学習の一部にHIPLUSによるe-lerningを使用します.各回のe-lerninngによる関連学習は,それぞれの対面学習開始以前に完了していなければなりません.e-lerningによる学習分は対面授業(通常の教室における講義)を休講にすることで振り替えます.振替休講については,授業中及びHIPLUSのお知らせ機能(メール同時発信)で予め周知します.対面授業とe-lerningを合わせた総学習(授業)時間は15回×90分で,対面授業のみの場合と同じです. |
授業計画 | ガイダンス(対面のみ) この講義の計画と概要をお話しします. ※以下の計画は,進捗によって前週の内容に触れたり,変更になることがあ ります. プロジェクトマネジメントとは何か(対面のみ) モダン・プロジェクトマネジメントの概要を示し,いわゆるオールドファッションのプロジェクトマネジメントや我が国の情報サービス産業で使われてきたプロジェクト管理との違いを講義します. モダンプロジェクトマネジメントの標準類(対面のみ) モダンプロジェクトの発展を支えてきた団体と,その団体が作ってきた標準類について講義することで,第2回に続きモダン・プロジェクトマネジメントのスケルトンを与えます. プロセスに従った理解1:統合マネジメント(関連学習e-lerning30分+対面90分) プロジェクトの開始(立上げ)と終わり(終結)について,その重要性と手続きを講義します. プロセスに従った理解2:スコープ・マネジメント(関連学習e-lerning30分+対面90分) プロジェクトのスコープとは何かについての理解を得て,その表現方法としてのWBSの書き方について講義します. 演習1(関連学習e-lerning30分+対面90分) スコープ・マネジメントに関する演習を行います. HIPLUSを利用した課題提出があります. プロセスに従った理解3:タイム・マネジメント(関連学習e-lerning30分+対面90分) スコープによって示されたWPをもとに,アクティビティへの展開を行います.また,PERT/CPMの簡単な解説を行い,順序付け,期間短縮,作業未完了リスクの考え方などを解説します.時間が許せば,CCPMによる時間管理の考え方について言及します. 演習2(関連学習e-lerning30分+対面90分) タイム・マネジメントに関する演習を行います. HIPLUSを利用した課題提出があります. プロセスに従った理解4:コスト・マネジメント(関連学習e-lerning30分+対面90分) プロジェクトのコストの考え方と,プロジェクトの進捗評価の方法であるEVMについて講義します. 演習3(関連学習e-lerning30分+対面90分) EVMに関する演習を行います. HIPLUSを利用した課題提出があります. プロジェクト・リスク・マネジメントの考え方(関連学習e-lerning30分+対面90分) プロジェクトを実施する上で,リスクへの対応は不可欠なものとなります.リスクの考え方,リスクマネジメントの方法について講義します. プロジェクト・チーム・マネジメントの考え方(関連学習e-lerning30分+対面90分) プロジェクトは人が実施するものですから,人を如何にマネジメントするか,いかなるチームによってプロジェクトを実施するかということは,とても大切な問題です.ここでは,成功を引き出すために人の管理とチーム編成法について講義します. |
評価方法 | 出席点については以下のように計算し,総得点33ポイントの2/3以上を取得することが評価(AA,A, B,C,D)の要件です.これを満たさない者の成績は評価される資格のないFとなります. 1)毎回の授業で授業開始時の簡単なテストと終了時の課題提出を行い,合格の場合はそれぞれ1ポイント 2)演習1,2,3については,適切なレポートを提出することで1)に代えて各回2ポイント 3)e-lerningについては,各単元の確認テストに合格(70%以上の正当)することで1ポイントを与えます.評価の要件を満たした者については,出席ポイント,各回対面授業でのテストやe-lerningの単元テスト,演習の回答状況を考慮して成績を付与します.状況に応じて,最終課題を課し,成績の評価に含めることがあります. |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 情報システム開発やソフトウエア開発の場にプロジェクトマネジメントが具体的に導入されています.我が国におけるプロジェクトマネジメントは米国のPMIが開発したPMBOK Guideを基礎に置き,それぞれの企業が自社の開発モデルや他のマネジメント標準を取り込む形で,独自の提案を続けています.これは,ここ5年くらいの間に顕著になってきたことで,プロジェクトマネジメントの知識を保有することが企業の力であり,成長力であるといっても過言ではありません.本講義では,プロジェクトマネジメントの基礎を平易に講義し,これから社会に出ていく皆さんに必須の知識を教授していきます. |