年度 | 2010 |
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科目名 | 地域研究B(中南米) |
教員名 | 山脇 千賀子 |
授業概要 | 日本から地理的に最も遠いのが南米ですが、その他の様々な側面からも日本から「遠い」というイメージがあるのではないでしょうか。そのイメージどおり日本からみてまさに「異文化」ということのできる側面があると同時に、実のところ日本と意外な接点もあります。この授業をとおして、日本で生活するわれわれと中南米の人々の間にある地理的・文化的隔たりを実感するとともに、それを越えてもっているつながりが理解できるようになることが目標です。 本授業の前半では、中南米という舞台で展開された歴史を、いわゆる「西洋」からの視点を相対化しながら、人種・民族やジェンダーにも注目して捉え直すつもりです。後半では、現在中南米で生きている人々の生活を、政治・経済・文化・社会の諸相からどのように捉えることができるのか、いくつかのキーワードを設定して議論してみたいと思います。授業には適宜学生によるディスカッションおよびプレゼンテーションを組み込む予定です。 |
授業計画 | イントロダクション 中南米/ラテンアメリカとは何か 「征服」とは先住民にとって何だったのか:消された先住民の文明史 「征服」とは欧州人にとって何だったのか:日本の事例と比較して カトリック・ミッションと先住民の改宗:映画「ミッション」をめぐって 奴隷制度とは何だったのか 身分制社会と人種・エスニシティ・ジェンダー 近代国民国家建設と中国系・日系移民 政治風土と人々の生活(1)ポピュリズムとクライアンテリズム 政治風土と人々の生活(2)ゲリラとテロ 中南米経済(1)従属論とは何か 中南米経済(2)新自由主義とは何か グローバリゼーション下の先住民(1)チアパス グローバリゼーション下の先住民(2)ブラジル クレオール文化とディアスポラ むすび:われわれの前にある可能性 |
評価方法 | 授業への参加度(ディスカッションやプレゼンテーション)40%、毎回授業で提出してもらうコメント・カード30%、期末レポート30%として、総合的に評価します。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 授業をともにもりあげたい学生の皆さんの受講を歓迎します。日本ではあまりなじみのないラテンアメリカの音楽や踊り、料理などの生活文化に密着した異文化体験も授業に組み込む予定です。 |