情報表現・シナリオ

年度 2010
科目名 情報表現・シナリオ
教員名 高田 哲雄
授業概要 優雅で且つしっかりした建築物を作るにはデザインと構造の両面から十分に検討されたきめ細かな設計図が必要です。私たちが何気なしに楽しんでいる映画、テレビドラマ、演劇、アニメ、ゲーム等でも作る立場に立つと、空間と時間の両面から成り立つ設計図が必要になります。それが「シナリオ」なのです。「センスのひらめき」とか「即興」の力というものは十分な学習と経験を積んだ人が初めて活用できる能力であって、やはり私たちは最初に基本を学ばなければなりません。この授業では先人たちのシナリオ制作にかかわるノウハウを学びながら、同時に既存作品のシナリオ分析を行い、後半では独自作品の発想へとつなげていきます。
授業計画 ガイダンス「シナリオはなぜ必要か?」シナリオの成り立ち
既存の文法(シナリオ作方)は何を教えるか?「文法を知って文法を破る」
マッケンドリック「映画の本当の作り方」
劇作から学ぶもの(1)デヴィッド・ボール「戯曲の読み方」
劇作から学ぶもの(2)ゴードン・ファレル「現代戯曲の設計」
映画脚本から学ぶもの(1)八住利雄「シナリオ教室」
映画脚本から学ぶもの(2)野田高梧「シナリオ構造論」
映画脚本から学ぶもの(3)新藤兼人「シナリオ修業」
映画脚本から学ぶもの(4)シド・フィールド「映画を描くためにあなたがしな くてはならないこと」
【課題1】:シナリオ分析とログラインの作成(既存作品の構造分析)
プレゼンテーション(ピッチング練習)
映画脚本から学ぶもの(5)クリストファー・ボグラー「神話の法則」
映画脚本から学ぶもの(6)ジェームス・ボネット「クリエイティヴ脚本術」
映画脚本から学ぶもの(7)リンダ・シガー「ハリウッド リライティング バ イブル」
映画脚本から学ぶもの(8)ニール・D・ヒックス「ハリウッド脚本術」
【課題2】:独自作品の構想とアウトラインの作成
表現ジャンルは問わない。(ゲーム、アニメ、演劇も可)
プレゼンテーション(ピッチング練習)
評価方法 出席と発表、および提出物を重視します。出席点50%、中間プレゼンテーション20%、最終プレゼンと提出30%
教科書
参考書
メッセージ シナリオ以前に自己体験の深さがなければ、表面だけを取り繕った薄っぺらなものができるだけです。しかしこの一連のプロセスを学ぶことによって、「生き方」自体にもシナリオ的成長が反映されます。シナリオ制作に熟達することは簡単ではありませんが、自身の方向性を把握することを目標においてください。共に学びましょう。参考書はお勧め本ですが、必ずしも購入を前提とはしていません。