年度 | 2010 |
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科目名 | 国際環境法 |
教員名 | 斉藤 功高 |
授業概要 | 人間はあとどのくらいの期間地球に住むことができるのだろうか。このまま、地球の環境が悪化し続ければ、我々の子孫は今と同じ環境を享受できるだろうか。急激な環境破壊が目の前に起きていない現状では、我々は環境の保全に鈍感である。しかし、今、国際社会は協力して地球環境を守る戦いを始めている。国際社会が国境を越えた環境損害に直面したのはそれほど前ではない。1930年代に起きたトレイル溶鉱所事件によって初めて国際的な事件として越境環境損害が認識された。しかし、地球環境保護に積極的に取り組むようになったのは1972年のストックホルムで行われた人間環境会議が最初である。今回学ぶ国際環境法は、このように新しい国際法の分野として生成発展中であるが、国際環境や地球環境を保護するために、国際社会はどのような法の仕組みを作ってきたのか、また、将来に向けてどのような制度を作ろうとしているのか、具体的な事例を基に考えていきたい。 本講義の到達目標は、(1)国際環境法に対する理解を深めること、(2)深めた知識を利用して、現在進行中の問題群に対してどのような解決策があるのか考えていく創造的知恵を獲得することである。 |
授業計画 | プロローグー国際環境法とはー 国際環境法のリーディングケース・トレイル溶鉱所事件とは 国際環境法の法原則とは(1)ー環境損害と事後責任ー フランスの核実験とチェルノブイリ事故 貿易をとるか環境をとるかーイルカ・マグロ事件ー 多国籍企業は環境汚染に責任を持つべきかーボパール事故とARE事件ー 海の環境はどのようにして守られるのかー海洋汚染の実体と海の保護ー 海洋生物資源はどう保護すべきかー商業捕鯨の可能性とマグロ事件 有害廃棄物はどこに捨てたらいいのか 生物多様性・稀少動物はどのようにして守るのか 国際環境法の法原則とは(2)ー国際協力の法ー 地球温暖化はどう防ぐのか(1)ー気候変動枠組み条約締約国会議をめぐってー 地球温暖化はどう防ぐのか(2)ー京都メカニズムとはー 地球環境保全と国内環境法 |
評価方法 | レポート(内容12点、形式5点、資料3点、合計20点)・平常点(授業内で実施する授業確認テストの合計20点)・筆記試験(60点)の100点満点によってAA(100~90点)、A(89~80点)、B(79~70点)、C(69~60点)、D(59~0点)の評価をする。なお、筆記試験は3分の2以上講義に出席しなければ受けることが出来ないので注意すること。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 授業では教科書を使わないため、環境問題や国際環境法に関する本を最低1冊読んで、全体的な知識を身につけてほしい。また、現在国際社会で起こっている環境問題に関心を持ち、どうすればそれが解決するか自分なりに模索してほしい。 |