食品学総論

年度 2009
科目名 食品学総論
教員名 浅野 勉 
授業概要 食物に関する科学は、われわれ人間の食生活や健康を支えるための学問として重要な役割を果たしている。昨今、グルメブームあるいは飽食の時代などといわれ、多種多様の食品が世界各国から輸入されて私たちの周囲に溢れている。これら食品の機能はいうまでもなく、栄養学的にも価値があること、美味であること、そしてなによりも安全であることが必要である。これらのことを科学的に正しく理解することを目標として講義する。
授業計画 食品の栄養成分の項では、食品の成分と分類・種類、栄養価値と機能について
食品成分表の目的と性格、収載食品数・成分項目、別表、食品成分表の見方など
食品の歴史的変遷の項目では初期の農耕から稲作つくり、ダシの利用・和食文化の結実(日本型食生活の基礎の確立)、食物連鎖、食糧と環境問題など
食品の水分;遊離水、結合水、水分活性、等温吸湿曲線
炭水化物;炭水化物の分類(単糖類、二糖類、多糖類)、化学的性質と構造
でん粉のミセル形成、糊化と老化、食物繊維と糖アルコールについて
脂質;科学的分類(中性脂肪、複合・誘導脂質など)、脂肪酸、EPA、DHA
たんぱく質;単純・複合たんぱく質の分類、必須アミノ酸、立体構造、等電点
酵素;食品の褐変に関連する酸化還元酵素、ビタミン分解酵素、加水分解酵素
ビタミン・ミネラル;水溶性・脂溶性ビタミン、プロビタミンの生理活性
色素成分;クロロフィル、カロチノイド、フラボノイド、ヘム色素の安定化
呈味成分;甘味・酸味・塩味・苦味・旨味成分、イノシン酸の生成と分解
香り成分;エステル、アルデヒド、硫黄化合物、テルペン、窒素化合物
有毒成分;動・植物性食品中の毒性物質、変異原性物質、活性阻害物質
食品成分の変化;酸化(油脂の自動酸化、たんぱく質・ビタミンの酸化)
加熱による各種の成分変化
食品成分の変化;酵素が関連した褐変現象など
成分間反応(メイラード反応、リジノアラニン、亜硝酸塩)
食品の物性;コロイド、レオロジー
官能検査の基本、手法について学ぶ。
評価方法 期末試験の成績に10%の範囲で出席点を評価に加点する。
教科書
参考書
メッセージ 食品学総論の講義内容には栄養士になるための基礎的な項目が多い。化学アレルギーを起こさないためにも、新聞・テレビ・雑誌などの身近な情報や事柄にも留意し、各自で講義と関連させて理解していってほしい。