年度 | 2009 |
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科目名 | 国際政治学 |
教員名 | 藤嶋 亮 |
授業概要 | 内戦やテロ事件の頻発、難民や貧困の蔓延といった国際社会の現実を目の当たりにすると、無力感に襲われそうになります。ここで、思考停止に陥らず、この現実と向き合うためには、骨太な思考の枠組みが必要とされます。そのために本講義では、まず、現代国際政治の歴史的背景や、国際政治を理解するための基本的な考え方、理論の枠組みについて整理します。その上で、現代国際政治の諸問題、とりわけ民族紛争への国際的対応(「人道的介入」)や、「帝国」としてのアメリカ、2001年の同時多発テロ事件以後の「対テロ戦争」などについて、掘り下げて考えてみたいと思います。 |
授業計画 | 国際政治の基礎概念 国際社会と国内社会 国家主権と国民国家の変容 グローバル化と国家 非国家的アクター 国際政治学の理論 リアリズムとリベラリズム 世界システム論 数理的アプローチ 国際政治史 戦間期の国際政治 第二次世界大戦 冷戦期の国際政治 現代国際政治の諸問題 「ポスト冷戦」の国際政治 民族紛争と国際社会:「人道的介入」 ヨーロッパの挑戦:EU 9・11と「対テロ戦争」 国際政治の変容 |
評価方法 | 学期末の筆記試験によって、成績を評価します。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | レジュメを配布し、それに基づいて講義を進めます。したがって、特に教科書は指定しませんが、できるだけ新聞やテレビ、インターネットなどを通じて、最新の情報に触れるように心がけてください。国際政治学は論争的な学問です。例えば「人道的介入」の是非。つまり、民族紛争や内戦において、生命が危険にさらされている人々に対し、国際社会は何ができるのかという問題です。彼らを救うために武力行使をすべきなのか、いや、いかなる場合でも、武力行使は排除されるべきなのか。あるいは、国家主権を重視し、内政干渉を問題視する立場もあるでしょう。容易には答えが見つからない問題です。本講義では、このような問題についてみなさんと考えてみたいと思います。 |