年度 |
2009 |
科目名 |
金融経済学特論 |
教員名 |
可児 滋 |
授業概要 |
サブプライム危機で、米国のみならず、わが国の金融構造も大きく変貌を遂げようとしています。この演習では、まず、現在進行中の金融ビジネスモデルの転換の本質を理解するために、金融のフレームワークを丁寧にレビューします。具体的には間接金融としての銀行の機能、直接金融としての証券会社の機能、それに最近注目を集めている市場型間接金融の仕組みを検討します。その過程でベンチャーキャピタルファンドやプライベートエクイティファンド、ヘッジファンドをはじめとする各種ファンドや、ETF,REITを含む投資信託の各種戦略について習得します。そしてそれをベースにして、銀行と証券会社の業務分野の壁が崩れてどのようなビジネスモデルが指向されてきたのか、その過程で何が問題であったのか、金融・証券界はサブプライム危機を契機にして今後、どのような方向に転換しようとしているのか、等の問題を検討します。こうした問題の検討には、当然のこととして、金融技術(Financial Engineering)の知識が不可欠となります。すなわち、先物、オプション、CDS(Credit Default Swap)等のスワップといったデリバティブ(Derivatives)について理論面のみならず実践的な活用法を習得します。また、こうした第1世代の金融技術に加えて第2世代の金融技術である証券化(Securitization)技術についてもサブプライム危機で注目を集めたCDO(Collateralised Debt Obligation),ABS(Aseet Backed Securities)等をはじめとして幅広くかつ掘り下げた検討・分析を行います。 |
授業計画 |
演習の進め方は、私がレジメを用意して、それをベースに説明をしていきます。また、レジメのテーマに関連した時事問題についても幅広く検討します。そしてそれらをもとにして皆で議論を展開します。なお、テーマに関連して注目される論文があれば、私がコピーしてその都度、配布します。 |
評価方法 |
期末に小論文の提出を求めます。テーマ等は自由選択とします。成績評価は、小論文、授業への貢献度、出席状況等の総合評価となります。 |
教科書 |
|
参考書 |
|
メッセージ |
金融経済論は、いかなる企業にとっても企業活動に最も密接した分野の1つです。すべての業種、すべての企業にとって、いかに効率的に資金調達・運用をするかは重大な関心事です。そして、最近の企業金融理論は、数ある研究分野の中でも最も進展著しいものがあります。こうした最新の金融理論について単に机上の理論としてではなく実践的なアプローチを行うことによって、本演習により得た知識を即戦力として活用することができるよう指向します。 |