開発と国際協力

年度 2009
科目名 開発と国際協力
教員名 林 薫
授業概要 本講義では開発と国際協力について学びます。まず、なぜ現在「豊かな国」「貧しい国」の差があるのかについて考えます。大きな歴史的な視野に立って現在の国際システムがどのように形成されてきたかを考えます。次に、「国が豊かになる」あるい「国を豊かにする」ということの意味と、それに対してどのような手段、方法が有効なのかについて考え、内発的な「発展」と外からの働きかけ「開発」の意味の違いを考えます。以上のステップを通じて基礎知識を得たところで、「開発」「発展」のために具体的な方法論を学びます。援助の手法、分野別、課題別の問題点などについて知識を深めます。開発と国際協力に関する基礎的な知識および自ら考えることができるという意味での見識の獲得を達成目標とします。
授業計画 「豊かさ」と「貧しさ」の 指標
国民所得統計・社会指標とその国際比較
歴史的に見た「豊かな国」「貧しい国」
現在の先進国・途上国の格差はどのようにしてできあがったか
産業革命・植民地
植民地の独立とその課題・国の建設をどのように進めるか
戦後経済体制と援助
ブレトンウッズ体制・マーシャルプラン・コロンボプラン
1960年代における援助体制の確立
新興国の独立と開発戦略
1970年代における開発と援助
緑の革命とBHN・冷戦下の援助
1980年代における開発と援助
構造調整 国を豊かにするのは市場か政府か?
1990年代・冷戦の終結と国際関係・援助の意義付けの変化
21世紀の開発と援助
貧困の削減
日本の開発途上国としての経験
援助の仕組み・手法
無償援助と有償援助、資金協力と技術協力
開発と援助のプレーヤ
政府、NGO、民間企業、ボランティア それぞれの役割
分野別課題
インフラ、保健衛生、教育、産業育成
地域別課題
アフリカ、アジア、中南米
(以上の授業計画は実際の学期授業回数・回次とは必ずしも一致しません。また、シラバスは1月に作成していますが、授業は9月からですので、この間の世界情勢の変化、新たな動き、新しい理論等を加えて、授業内容を変更することがあります)
評価方法 出席(50%)、レポートもしくは授業内で実施する試験(50%)で評価します。レポートや試験の実施方法については授業中に指示します。授業への貢献(プラス面=よい質問等、マイナス面=私語等)も考慮します。授業への積極的参加への度合い(出席を含む)および期末のレポートで評価を行う。法論を学びます。援助の手法、分野別、課題別の問題点などについて知識を深めます。開発と国際協力に関する基礎的な知識と見識が獲得できたかどうか評価の基準とします。一応の基準は以下の通り:開発と国際協力に関して必要な知識・見識を習得できた場合AA、見識はまだ努力を有するが知識は習得できた場合A、知識・見識とも多少不足しているが概ね習得できた場合B、一層の努力を要するが今後の発展に期待できる場合C、達成度から見てもう一度履修することが適当と思われる場合D。
教科書
参考書
メッセージ 本授業では開発の基本を学びます。授業は極力客観的なデータを用い、開発援助の実像を明らかにしながら、基礎的な知識・見識の獲得を目指します。ジャーナリズムなどで流されている援助に関する言説から一歩置いたところで、開発ち国際協力あるいは援助とはどういうものか、冷静かつ客観的な目で見て考えてみてください。