「 インターネット時代の著作権 」

〜「規制」でなく「人権」、「モラル」でなく「ルール」〜

文化庁著作権課 課長  岡本薫

 いわゆる「情報化」の進展により、社会の中で流通する情報について、その「量」が拡大するとともに、その「流れるルート」の拡大・多様化が生じています。これに伴い、多くの人々にとって、情報の生産・流通・利用等に関する「モラル」や「ルール」が、重要な課題となってきました。

 著作権については、かつては「一部業界の一部のプロ」だけが「コンテンツ(著作物)」を創作・利用していた時代が終わりを告げ、「創作手段」「利用手段」を手にした「1億人」がこれに関わるようになっています。まさに「1億総クリエータ」「1億総ユーザー」という時代を迎えているわけであり、「車の普及」によって多くの人々が「ドライバーの交通ルール」を知る必要に直面したのと同様に、すべての人々が著作権についてある程度の知識を持つ必要に直面していまます。

 ところが、「ルール感覚」の欠如が広く見られる日本では、「人権」である著作権を「規制」と混同するとか、「ルール」である著作権を「情報モラル」の一環として学ばせるなどという「致命的な誤り」が広く見られるようです。

 今回の講演では、「すべての人々」が「情報」の「創作・流通・利用」に関わる時代において、知っておくべき重要な「ルール」のひとつである「著作権」というものについて、その基本的な考え方から、最新の課題(自ら行動すべきすべての関係者にとっての課題)までを広く解説する予定です。

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