「非戦」と「平和」のためのギターライブ

文教大学国際学部  奥田孝晴
国際学部合唱サークル CYAN

 一般的に、「反戦」あるいは「非戦」といった言葉には一種のテレがつきまとっているように思われます。そんなに声高にならずとも、そんなににカタヒジをはらずとも…ましてや「平和」という言葉、今、充分に平和なんだから少し古いんじゃない…という思いから来るテレです。

 いろいろとご意見はあるでしょうが、私たちはこの「テレ感覚」を大事にするべきではないかと考えています。そもそも、「反戦」や「非戦」を声高に叫ばなければいけない時代とは、あまり幸福な時代とは言えないでしょう。

 しかし、世界のいくつかの地域では迫り来る戦争の恐怖、あるいは戦時状態そのものという状況のもとで、人々が日々を送らざるをえない、というのも現実ですし、そうした状況に対して、日本は、そして私たちはいかに関わろうとしているのかが問われていることも、また事実です。世界のすべての人々が「平和」を空気のように享受できる生活環境を手にするまでに、あとどれほどの月日が必要なのでしょうか。少なくとも、「反戦」、「非戦」、「平和」を命がけで叫ばなければならないような時代だけはマッピラだ、ということは声を大にしてに言っても良いのではないでしょうか。

 この企画は、「国際学部のシンガーソング・プロフェッサー」奥田孝晴教授によるギターライブと、国際学部合唱サークルCYANの歌唱を〃教材〃に、戦後日本と国際紛争との係わりを中心として「戦争と平和」の問題を考えようというものです。

 CYANの美しい歌声と、実際の学部授業でも時折〃ライブ〃を敢行してしまうという同講師のミニ・レクチャーを交え、「戦争を知らない子供たち」から「IMAGINE」までの反戦・非戦歌を手がかりに、その時々の時代背景や国際関係の推移を語りながら、そこから得られる「何物か」を考えていく、というユニークな企画です。

 そうそう、忘れていました。井上陽水や小田和正の歌のヒットや、カバー曲の隆盛ぶりに見るように、「オジサン・フォ−ク」は最近、結構トレンディ−なのでしたね。懐かしさと新しさが微妙に交錯する音楽の中で、日本と世界の関係に思いを馳せてみませんか。

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