文教大学情報学部 川合康央
近年、コンピューターグラフィックスは、テレビやゲーム等で日常よく目にするよ うになってきました。これらは著しい技術の進歩によって、より簡単な操作でリアル なコンピューターグラフィックスを作成することが可能になってきたからです。現在 それらは、映画の特殊効果や景観シミュレーション、また医療の現場など、幅広い分 野での利用が行われています。
本講義では、プロが現場でも使用する最新のツールを用いて、簡単なキャラクター アニメーションを制作します。講義は、はじめてコンピューターに触れる人でも容易 に理解できるよう行います。
使用するツールのインターフェィスは、利用者にとって非常にわかりやすいものと なっています。パレットに表示される基本的な図形を選択し、それらの内いくつかを 組み合わせることで、非常に複雑でリアルなモデルの作成が、可能です。また、モデ ルには、パレットから色を選択し着色することが出来ます。さらにそれらのモデルに プラステックや金属、動物の皮膚などの質感を与えることで、モデルはよりリアルな ものへと変化します。このようにして作成したモデルに、背景をつくり、光を当て、 カメラを設定することで、後は自動的にコンピューターが画像を作成してくれます。
今回は、このモデルに、簡単な動きを付けてみることにします。コンピューターグ ラフィックスによるアニメーションでは、従来のクレイ(粘土)やセルアニメーショ ンのように、ひとこまごとに動きを指定して撮影を行うのではありません。利用者は、 動作のはじめの状態と、動作後の状態を指定するだけで、その間の動きは、すべてコ ンピューターが自動的に計算してくれます。これらを数回繰り返すだけで、非常に複 雑な動きを表現することが出来るのです。また、これらモデリングからアニメーションまでの作業は、何度でもやり直しがききます。思い通りにいかない部分を、納得できるまで何度も修正が可能です。
これら一連の作業を、一度でも実際にやってみると、コンピューターグラフィック スの楽しさが、十分感じ取れます。自分の作ったキャラクターが、目の前でリアルに 動く様は、なにものにも代え難い経験をもたらすでしょう。是非とも一度、この感動 を体験していただくことを希望いたします。