「 コンピュータを使った英語教育 (1)・(2) 」

文教大学国際学部 小林ひろみ

 コンピュータは、私達の日常生活を大きく変えています。電子メールが世界的に広がり、海外との通信にこれまで以上に英作文の能力が必要になり、インターネットを通じて世界の情報を得るには英文の読解能力の向上が欠かせません。また、これまではごく少数の人に必要であったタイプの技能が一般人にも必要になっています。

 文教大学国際学部は、外国との関係に興味をもつ学生を受け入れており、このようなコンピュータ時代に対応した英語教育を実施するのが学部の使命の一端です。そこで、私たちは大学の協力を得て、3年前の1999年度に従来のLL教室をコンピュータ教室に改造し、LL教育の一部をコンピュータを使った英語教育に切り替えました。それは2000年度から導入開始をする予定であったCALL(Computer Assisted Language Education)科目ための準備でした。

 今回、私たちは90分の前半を使って、1年生にどのようなCALL授業を行っているかに触れ、後半は2年生の選択科目としてのCALL授業の1つをご紹介したいと考えています。

 国際学部のCALL科目は、1年次に必修科目として2科目あり、2年次には選択科目として同じく2科目を提供しています。基本的なコンセプトは、1年次が英語とコンピュータの基礎的技能の習得、2年次はそれを土台に、担当者がそれぞれの得意分野を提供することです。このコンセプトは、必ずしも十分に練られたものとは残念ながら言えません。それは、一つにはこの分野の変化があまりにも急速であるため、担当者の多くがその機能を勉強をしながら教育にあたっているのが実情だからです。

 予算面から考えても、2000年度は、教材ソフトが非常に高価で学生に買わせられないため、学部で購入しました。それが昨年度は2千円から3千円程度で入手可能なプログラムが開発されたため、教科書と同じ感覚で買えるようになりました。しかしながら、内容が必ずしもこちらのニーズとは合わないため、手作りの教材準備が本年度の私達の研究課題となっています。また、新入生のコンピュータ知識も急速に変化しており、携帯でメールを使用している学生にとって、基本的使い方は1回の指導で十分になっています。これは3年の間に起きた変化です。この中で、私達もシラバスの組み方の再考に迫られており、参加者の皆様と共に、このような問題点についても一緒に考えてみたいと思っております。

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