期待される情報システム専門家像

情報システム(Information Systems)の専門家として期待される人間とは,高度な職業人であって,情報システムの作成または活用についての専門知識と能力を持ち,広い視野でシステムをまとめあげられる人のことである.情報システムを企画,開発する専門家,もしくは情報システムを活用して企業や社会を変革していく専門家として期待される人間像をまとめると,以下のようになる.

(1)情報システムの専門家としてのプロフェッショナリズムと職業倫理を備えている

情報システムの専門家であることの自覚と誇りを持ち,市民としての一般的な倫理,高度な職業人としての倫理の上に,情報システムの専門家としての倫理を備えて真摯に仕事を遂行する.

(2)プロフェッショナリズムを支えるだけの情報システムについての広く深い専門知識,技術および洞察力を持つ

新しい情報システムを作り出す,あるいは情報システムを使って組織を改革する専  門家としての専門学術,情報技術および関連する対象領域に関する広く深い知識と   技術を習得している.また,つねに新しい技術を吸収しようとする学習意欲を持ちつづけ,日々の業務の中でも自らの経験として新たなことを学び取ることを忘れない.

(3)広く深い知識をまとめあげ,創造的に問題の発見と解決ができる

広くかつ深い知識と理解に基づき,社会や組織全体といった広い視野から検討を行ない,的確に問題の発見ができる.そのうえで,組織の変革,情報システムの開発・導入について,創造的で効果のある提案ができる.また,それを実現するための実行力も備えている.

(4)立場や国を超えた人たちとのコミュニケーションとプレゼンテーションができる

利害,興味,文化,国を超えて関係する多くの人とコミュニケーションを行ない,それぞれの立場を正しく理解したうえで,情報システムやその活用法を考え出すことができる.また,自らの考えを理解してもらえるプレゼンテーションを行なうことができ,リーダシップと協調性を備えている.



関連事項は「大学の情報系専門学科のための情報システム教育カリキュラム―ISJ2001―(情報処理学会,情報処理教育委員会情報システム小委員会報告書)」を参照してください。