C230 情報システムの企画
情報システム開発に関わる最初の仕事として位置づけられる専門的な科目群である。組織体が情報システムの戦略を実現する上での意味を認識できるように、企画・計画の方法論やそのための組織体制等について扱う。
学部レベルでは、この科目群を一つにして、事例中心とした企画の実体を認識させる。
C231 情報システムの計画
(1)位置づけ
情報システム開発の最初の過程である計画をどのように行うか、そのための組織体制、どのような情報システムを計画すべきかの方法と既存の情報システムをどのように改善・保守すべきかの方法について扱う。情報システム開発の基本となるコア科目である。
(2)ねらい
情報システムを計画するために考慮すべき要因を理解させ、組織の戦略を実現するために発想を集約して、どのようなシステムを作るべきかを計画するための方法を習得させる。
(3)アプローチ
組織の首脳部が示す方針や政策を、中間管理職がどう受け止めて具体的にどのような戦略を作り出すかの組織内で取るべき体制と、どのような情報システムを計画すべきか、既存の情報システムをどのように改善・保守すべきかの方法について、事例中心に説明する。
(4)内容
システム計画のアプローチ
・システムの要素・目的
・システム計画手順(システムズアプローチ)
ニーズの探求、目標分析
・関連樹木表(PATTERN)
・重要成功要因分析(CSF:
Critical Success Factor)・階層意志決定法(AHP:
Analytic Hierarchy Process)事前評価
・多目的(利害競合)システムの評価
・費用効果分析
・情報システムの影響・効果の評価
システム計画のための組織
・プロジェクトチームの構成・運用法
情報システム企画における力関係のフロー
・方針決定と実行支援
事例として、社会的、公共的な情報システム(官公庁、地方自治体の住民情報システム、銀行オンラインシステム、緑の窓口システムなど)。
(5)レベル
学部4年次、大学院
C232 経営と情報戦略
(1)位置づけ
情報システムの開発において、経営戦略を実現するための企画に関する諸問題を扱う。「情報システムの計画」とともに、システム開発の基礎となるコア科目である。
(2)ねらい
情報システムの計画について理解した上で、さらに情報戦略の一ケースとして、経営戦略を実現するための情報戦略の重要性を理解させる。
(3)アプローチ
戦略情報システムを開発する際には、まず経営の方針とシステムの開発目的が明確になっているべきこと、および、現在およびこれからの経営にとっては、経営方針に沿って経営目的の達成を図るための戦略が必要であることを、実際の事例を中心に説明する。実務者の経験談を聴く機会を設けることが望ましい。
(4)内容
・経営戦略論
・戦略実施にあたっての組織の編成
・情報システムと経営戦略の実現の成否
・情報システムの形態による組織の振舞への影響
・経営戦略に情報戦略を合致させるためのCIOの役割
・システム開発リソースの適正配分の決定の仕組み
などを扱う。
(5)レベル
学部高学年、大学院
C233 情報資源計画
(1)位置づけ
組織が必要とする情報資源としてのデータ資源が情報の素材として重要な位置付けにあることを明らかにし、データ分析、設計を包含した計画手法、全社データ計画実行の実態などを扱う。情報システム開発の専門的基礎となる科目である。
(2)ねらい
利用できる既存の計画手法やデータモデリングの技術を理解させ、情報システムの基盤としてのデータベースの存在意義を実感させる。
(3)アプローチ
まず実社会での、大規模、中規模、小規模な事例を取り上げて全体をつかみ、そのあとで計画の方法や技法を教える。さらに企業の協力が得られるなら、既存の情報資源計画の全体像を捉えさせるとともに、技術体系を教える。
(4)内容
・データ計画手法
・データモデリング技術
・データベースの論理モデルと物理モデル
・データベースの企業モデルと適用業務モデル
(5)レベル
大学院