基礎

C110 情報システム入門

 

 高度科学技術がもたらした情報社会とはなにか、またそこで主要な役割を果たす情報システムとは何かについて理解させる科目群である。情報社会には良い面があるとともに、不都合な面があること、また、情報システムには、人間の生活や組織の活動に深く関わりがあることを理解させ、これからの学習への動機づけを与える。

 

C111 情報社会概論

(1)位置づけ

 情報システム学カリキュラム全体への導入科目である。これから学習する情報システムを理解するために、その基盤となる社会の発展と変化について、いかに社会が情報を必要とするか、情報技術の発達がいかに社会に影響を与えてきたかの両方の視点から捉える。特に、「現代社会は情報の生産、処理、利用と密接に結びついており、情報の効果的な活用が不可欠となっていること、また一方では、情報に関わる様々な社会的問題も生じていること」を知っておくことが重要である。

(2)ねらい

 文明論からみた情報社会と情報技術の発展が影響を及ぼしている情報社会の二つの側面から、社会における情報の役割、情報システムと人間、組織、社会の関わりを理解させる。

(3)アプローチ

 技術や社会の特徴が時代とともにどのように変化してきたかを、ビジネス、行政、日常生活の事例を中心に説明する。また、具体的なイメージを与えるために、証券取引所、新聞社、工場などを見学したり、ビデオ教材などを活用したりするのもよい。

(4)内容

情報技術(コンピュータと通信)の発展が大きく影響を及ぼしている社会

・情報の必要性(いかに社会が情報を必要とするかの視点で扱う)

・情報の生産、処理、利用についての様々な考え方(楽観的な見方から悲観的な 見方までを広く扱う)

・社会と情報(技術、メディア)との関わりの歴史(情報技術の発達がいかに社 会に影響を与えてきたかの視点で扱う)

・情報技術の政治、経済、教育、家庭に与える影響(事例を中心として扱う)

・世界の動向と日本的情報社会の特色

文明論からみた、脱工業化社会、第三次産業中心の社会、産業のソフト化(トフラー、ドラッカー、ボールディング等)

などを扱う。

(5)レベル

 学部

 

C112 情報システム概論

(1)位置づけ

 学生が最初に出会う情報システム学の科目である。したがって、情報システムの果たす役割を理解させるための動機づけを行うとともに、情報システム学の展望を与え、学習の仕方を教える。すなわち、情報システム学の導入科目とする。

(2)ねらい

 情報システムの善し悪しによって、企業活動や日常生活がどのように変わるかを理解させ、企画、開発、運用、活用のそれぞれの立場における情報システムの問題を認識させる。また、情報システムはコンピュータをベースにしていてもいなくてもよいことを認識させた上で、情報システムとは何かを考えるきっかけを与える。

(3)アプローチ

 身近な情報システムを事例的に取り上げ全体像を見透しながら、基礎的な用語・概念を理解させる。この科目は担当者の力量に左右されることが大きいので、このコースの中心的な教員が担当すべきである。可能ならば、実際のシステムの見学、開発者/利用者の経験談を聴くのもよい。

(4)内容

 生産、流通、金融、医療、出版、図書館、博物館、官公庁などの情報システムを多数取り上げ、それぞれの情報システムの特徴に注目しながら情報システムとは何かのイメージを与える。また、特定の情報システムについて、それがおかれている環境に注意しながら以下のような面について論じる。

・情報の技術と社会がどう関わっているか

・情報システムはどのように変わって来たか

・日常生活における情報の収集と活用、個人の活動と情報システムとの関わり

・情報システムは組織の中でどのように構築されているか

・情報産業の変遷、ユーザ企業における情報システムの開発と利用の変遷

・社会、組織体、情報システムは互いに影響し合いながら変化しつづけること

(5)レベル

学部